武庫川なーさんとの1コマ「はじめての行事、お遊戯会」で親が気付かされた話。
先日、なーさん初めてのお遊戯会があった。
保育園には本当にたくさんの行事がある。遠足、参観日、運動会、バザー、卒園式。僕はその全てに不参加だった。唯一入園式だけ行ったけど。
不参加の理由は簡単で、コロナの影響で開催されていないからだ。普段、なーさんが園の中で何をしているのかを知る方法は2つ。僕がそれを知るのは掲示板に貼られる「今日は〇〇をしました」というお知らせと先生とのちょっとしたお話の中だけ。
先生とのコミュニケーションもコロナ禍で最小限にとどめなければならないし、情報がほとんどなかった。
お遊戯会の情報も詳しいことがわからないまま園からの指示に従って服を集めたり持ち物を用意したり。さしずめゲームのミニクエストのようで、忙しくもなぜだか少しワクワクしていた。
演目は大体察しがついていた。なーさんが元気よく家で演じてくれるのだ。ペンギンの歌、はやしうさぎの歌、フルフルフルーツ。とても楽しそうに演じてくれて、それだけでも僕は楽しませてもらった。
お遊戯会当日はみんな緊張
お遊戯会当日は、子どもはもちろん親だってきっと緊張していたように思う。初めて親同士が一堂に会するからだ。普段送り迎えで会う保護者はわかるけどそれ以外はわからない。
席につきながらカメラをセッティングして、チラチラと辺りを見回す。服装が浮いていないかとか、大きなカメラを持っている人はいるのだろうかとか、そんなことが気になる自分の気の小ささに気づいて恥ずかしくなった。
僕は同じクラスの保護者の中でも結構な子ども好きの部類だと自覚している。なーさんはもちろん親としては少し失格なのかもしれないけど、他の子のことも一生懸命応援したくなる。
演目が始まると、園児一人ひとりに個性があってとても面白かった。静かなのに音楽が鳴ると楽しく踊る子や、普段は元気いっぱいなのに緊張でガチガチになる子、保護者を見て思わず手を振ってしまう子など、その全部の言動がとてもかわいらしかった。
去年の4月から1年9ヶ月もの間、なーさんと同じクラスで過ごしてきたキッズ達。そしてなーさん自信、保育園での暮らしでこれほどに成長しているのかという様子が見て取れたのがとても嬉しくて。
なーさんの登場シーンはわずか5分。家で踊ってくれていた『ペンギン』はあったけど『はやしうさぎ』と『フルフルフルーツ』は他の子どもの演目だった。よほどお遊戯会の練習が楽しかったんだろうな。
短かったけど、なーさん本人はどう感じたのだろうか。不安そうに、それでもしっかりと自分の配置を間違わないように、振り付けを間違わないように、自信が足りないながらも精一杯体を動かしていたなーさん。写真も動画もぐずぐずになってしまったけど、その勇姿は目に焼き付いている。
声かけは「楽しかった?頑張った?」
前日の夜、僕はなーさんと話していた。なーさんには「楽しんでね、頑張ってね、終わった後に楽しかったって言えたらいいね」と伝えた。
親は大人。どうしても過程よりも結果を求めたり、他の子どもよりもうちの子どもと相対的に物事を捉えてしまう。僕はなーさんにも他のキッズにもそういう発想を抱かせたくないと思っている。
練習通りに行かなくてもいい。それよりも、初めてたくさんの他人の前で何かを発表したという事実が頑張った証拠なんじゃなかろうか。
家族でご褒美ケーキ
お遊戯会が終わった後、なーさんも、なーさんのお友達も、その保護者さんとも話した。みんな色んな緊張が解けてリラックスしていたことが印象的で。
僕は休む間も無く仕事に向かった。前日になーさんと二人で買いに行ったケーキがとても美味しかったようで、僕の分以外はすでに妻となーさんが食べ終わっていた。
なーさんに「今日はどうだった?楽しかった?」と聞くと「楽しかった」と答えてくれた。緊張の中よく頑張ったね。挑戦する気持ちを持ち続けている子どものピュアな心に、親の僕が勇気づけられた。
コロナは辛い。その中でいいことを探す
お遊戯会が終わって数日経つ。今回の経験は他の世代では味わうことができない特別な物だと思うようにしている。だって、参観も運動会もないまま1年9ヶ月を過ごすことなんてイレギュラー中のイレギュラー。
何事も楽しめるなーさんを見習って、僕もこのイレギュラーを楽しむ。すると、「参観も運動会もないなんてつまらない」という考えが「1年9ヶ月我慢したからこの感情を抱けた」と思えるようになった。
ありがとう、なーさん。
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